本物のプラス思考
『本物のプラス思考は、究極のマイナス思考から』(五木寛之著『他力』より)
これまで言われてきたプラス思考と呼ばれているものは、実は安易な楽観主義であり、漠然とした希望であって、本当に生きる力になるようなものとは思えません。
本物のプラス思考は究極のマイナス思考と背中合わせなのではないか。
いまはまず、直面する現実、大きな魂の危機を直視することから始めなければならない。
私たちが問われているのは、「人間とは何か」だけを一生懸命に追及することではありません。
「この状況の中でどうすればいいのか」こそが、問われているのです。
たとえば、多額の借金を抱えてどうにもならない状況に陥ったように感じることがあるかもしれない。 し
かし、じつはそれはどうにもならない問題ではない、と考える。 自己破産を選択するのもひとつの方法だろうと思う。
人から蔑(さげす)まれ、体面や信用が壊れるかもしれない。家庭も崩壊するかもしれない。
それでも、離婚してもいいから、家出してもいいから、人は生き延びるべきだと考えます。
マイナスの勇気、失うことの勇気、あるいは捨てることの勇気。 現実を直視した究極のマイナス思考から、本物のプラス思考が出てくるのです。(『他力』より抜粋)
プラス思考だけはうまくいかなかった人は、プラス思考の対極にあるマイナス思考に立ち返って見つめ直すのも、問題解決への一つの方法かもしれませんね!
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